中古車の現状渡しとは?整備せず渡す売り方、保証なしなら修理は自分持ち

ボンネットを開けた車のエンジンルームの写真に、記事タイトルの文字を重ねたアイキャッチ画像 お役立ちコラム

中古車の「現状渡し」は、今の状態のまま、整備をせずに引き渡す売り方です。保証が付いていなければ、納車後に出た不具合の修理は、買った人の負担です。そのぶん、値段が低くなります。

買うなら、見るところと聞くところを、先に決めます。「現状渡し」と書いてあっても、店が責任を負わなくてよくなるわけではありません。

紹介ページや見積書に「現状渡し」と書いてあって、意味が分からない方に向けた記事です。安い理由と、買って大丈夫かを知りたい方に向けて、次のことを整理します。

  • 現状渡しとは、どういう売り方か
  • 紹介ページの表示との関係
  • 何が自分持ちになるか
  • 契約書に書いてあっても、店に責任が残ること
  • 買う前に見るところと、聞くところ

現状渡しとは:整備なし・保証なしで渡す売り方

現状渡し(現状販売)は、中古車を今の状態のまま売る取引の形です。納車の前に整備をしない売り方です。

「現状渡し」は、中古車の表示のルールに出てくる言葉ではありません。店が使う言い方です。ルールが決めているのは、「保証付き」「保証なし」と、「定期点検整備付き」「定期点検整備なし」の表示です。

ボンネットを開けた車のエンジンルームの写真。現状渡しの車は納車の前に整備をしないので、渡されたときの状態が、そのまま自分の車になります。
売り方納車の前の整備納車後の不具合の修理車両価格に入っている費用
現状渡し(整備なし・保証なし)しない買った人の負担整備と保証の費用は、入っていない
定期点検整備付き店が定期点検整備をして渡す保証がなければ、買った人の負担整備の費用が入っている
保証付き整備の有無とは別保証書の範囲で、主に無償で直す保証の費用が入っている

現状渡しの車の値段が低いのは、整備と保証の費用が、車両価格に入っていないためです。

紹介ページの「保証なし」「定期点検整備なし」で見分ける

店は、紹介ページに、保証と定期点検整備の有無を書く決まりです。紹介ページは、中古車サイトや店のホームページに載っている、車の写真と値段のページです。

  • 「保証なし」:保証の費用が、車両価格に入っていない車です。有償で保証を付けられるときは、その旨も書いてあります。
  • 「定期点検整備なし」:納車までに、定期点検整備をしない車です。直すべき箇所が分かっているときは、その旨も書いてあります。

この2つが並んでいる車が、店が現状渡しと呼ぶ車にあたります。保証の種類と、保証なしの車を買う前の確認は、次の記事にまとめています。

中古車の「保証なし」はどう判断する?保証の種類と買う前の確認
中古車を探していると、価格の横に「保証なし」と書かれた車に出会うことがあります。ほかの車より安く見える一方で、「壊れたら全部自分で払うことになるのだろうか」と手が止まる表示でもあります。中古車の「保証なし」は、保証にかかる費用が車両価格に含...

現状渡しで買うと、何が自分持ちになるか

保証が付いていない現状渡しの車は、納車のあとに出た不具合を、店は直しません。直すなら、買った人が自分で修理に出して、代金も払います。オイルやバッテリーが弱っていても、タイヤが減っていても、そのままの状態で渡されます。替えるのは買った人です。

自分持ちになるものは、次の3つです。

  • 乗っているうちに出た不具合
  • 納車のあとに見つかった、整備が要る箇所
  • オイル・バッテリー・タイヤなどの消耗品の交換

ただし、買う前からあった不具合は、別です。次の章で書きます。

契約書に「現状渡し」とあっても、全部が自分持ちになるわけではない

契約書に「現状渡し」「不具合は買った人の負担」と書いてあっても、店が責任を負わなくてよくなるわけではありません。

買う前からあった不具合で、店が説明していなかったものは、店が直す責任があります。店が気づいていなかった不具合も同じです。店が説明して、納得して買った不具合は、自分持ちです。

法律(消費者契約法)は、店が損害賠償の責任をすべて負わないという契約の条項を、無効としています。

買う前に、店から聞いた不具合は、書面やメッセージに残します。

現状渡しの車を買う前に、見るところと聞くところ

見るところは、次の4つです。

  • 下回りとサビ
  • タイヤの溝
  • バッテリー
  • 前の使用者の点検整備記録簿

下回りとサビを見る場所は、次の記事にまとめています。

中古車のサビの見分け方は?表面のサビなら買える、穴が開いていたらやめる
中古車のサビは下回りの4か所で見ます。マフラーの継ぎ目・ドアの下の折り返し・タイヤの奥・黒い塗りのムラです。表面のサビだけなら買えます。穴が開いていたら部品の交換が要るので、やめたほうがいいです。雪国の車が錆びやすい理由と洗い方も。

タイヤは、溝がどれだけ残っているかを見ます。バッテリーは、納車のあとすぐに交換になるかを、店に聞きます。前の使用者の点検整備記録簿は、紹介ページに、有無が書いてあります。

聞くことは、次の3つです。

  • 納車の前に、何をするか(点検・オイル交換・清掃など)
  • 分かっている不具合は何か(紹介ページの「要整備箇所」)
  • 有償で保証を付けられるか

答えは、書面かメッセージで受け取ります。口頭で聞いた約束は、あとで確かめようがありません。

買ったあとに変えられない部分から見る、中古車の選び方は、次の記事で説明しています。

中古車の選び方|買ったあとで動かせない部分から見る
中古車を探し始めると、見るところが次々に出てきます。年式、走行距離、修復歴、保証、支払総額。どれも大事だと言われますが、全部を同時に見比べるのは難しいものです。困るのは、どこから手をつけるかが決まっていないことです。目についた一台から順に見...

よくある質問

現状渡しの車は、安いのですか?

車両価格は低く表示されます。整備と保証の費用が、車両価格に入っていないためです。納車後の修理代と、有償で保証を付けたときの費用を足して、支払総額と並べて比べます。

現状渡しの車に、保証を付けられますか?

有償で保証を付けられる店があります。付けられるときは、紹介ページに、その旨が書いてあります。書いていなければ、契約の前に、店に聞きます。

車検が残っていれば、整備は要りませんか?

車検の有効期間が残っていることと、定期点検整備がされていることは、別です。定期点検整備がされているかは、紹介ページの「定期点検整備付き」「定期点検整備なし」で見分けます。

まとめ

  • 現状渡しは、今の状態のまま、整備をせずに渡す売り方。保証が付いていなければ、納車後の不具合の修理は買った人の負担
  • 契約書に「現状渡し」とあっても、店の責任がなくなるわけではない。買う前からあった不具合で、説明がなかったものは、店が直す
  • 買う前に、見るところと聞くところを決める。聞いた内容は、書面かメッセージで受け取る

現状渡しの車で迷ったときは、紹介ページの表示と見積書を手元に置いて、下の枠から相談できます。

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参考にした資料