生活保護で車は持てる?原則は手放す、通勤や通院などで認められる例がある

木々に囲まれた細い道と、その先の家の写真に、記事タイトルの文字を重ねたアイキャッチ画像 お役立ちコラム

生活保護を受けている間、車は原則として手放すことになります(制度では「処分」と言います)。生活保護は、持っている資産を生活のために使ったうえで、足りない分を補う制度です。車は、売ればお金になる資産として扱われます。

通勤・通院・障害のある方の移動などで、一定の条件を満たしたときは、保有が認められる例があります。

認めるかどうかを決めるのは、お住まいの地域の福祉事務所(ケースワーカー)です。車を買う前に、必ず相談してください。

生活保護を受けている方や、申請を考えている方で、車が必要な方に向けた記事です。この記事では、次のことを整理します。

  • 原則は、車を手放すこと
  • 保有が認められる例
  • 認められるときの条件
  • ローンで車を買うときの注意
  • 相談先

原則は、車を手放すこと

生活保護は、持っている資産を、まず生活のために使うことを前提にした制度です(生活保護法 第4条)。使っても足りない分を、保護費で補います。

車は、売ればお金になるため、資産として扱われます。保有が認められない車は、手放して、売ったお金を生活の費用に充てます。

木々に囲まれた細い舗装路と、その先に見える家の写真。

車を持っている段階でも、まず福祉事務所に相談します。手放すかどうかは、自分では決めず、説明を聞いてから決めます。

保有が認められる例

国の基準(実施要領)には、車の保有を認めてよい場合が書かれています。主な例は、次の3つです。

通勤のために、車が必要な場合

車以外で通勤する方法が全くないか、通勤がきわめて難しいときで、次のどれかに当たる場合です。

  • 障害のある方が、車で通勤する
  • 公共交通機関を使うのが著しく難しい地域に住む方が、車で通勤する
  • 公共交通機関を使うのが著しく難しい地域にある勤め先へ、車で通勤する
  • 深夜勤務などの仕事で、車が必要

通院などのために、車が必要な場合

障害のある方(子どもを含む)が、通院・通所・通学のために車を必要とする場合です。公共交通機関を使うのが著しく難しい地域に住む方が、通院などのために車を必要とする場合も、同じ考え方で扱います。

仕事を探している間

失業やけがで仕事を休んでいた方が、申請するときは、車の扱いが別に決まっています。次の2つがそろえば、すぐには手放すことを求めない扱いがあります。おおむね6か月以内に、仕事で保護から抜けることが確実に見込まれること。車の売れる値段(制度では「処分価値」)が小さいことです。

これは、手放すのを一時的に待つ扱いです。その間に車を使うことを認める、という意味ではありません。例外は、公共交通機関を使うのが著しく難しい地域に住む方です。求職活動に必要なときに限り、車を使えます。

どの例も、福祉事務所が世帯の状況を見て決めます。当てはまっても、必ず認められるとは限りません。

生活保護で車を持てるかを考える流れの図です。原則は手放すことです。通勤・通院・仕事を探している間などの例に当たるかを見て、福祉事務所が決めます。車を買う前に、先に相談します。

認められるときの条件

通勤の場合

障害のある方以外の通勤では、次の4つがすべてそろうことが条件です。

  • 世帯の状況から、車での通勤がやむを得ず、その仕事が世帯の自立に役立っている
  • 地域の車の普及率から見て、車を持たない低所得の世帯との均衡を失わない
  • 車の売れる値段が小さく、通勤に必要な範囲の車である
  • その仕事の収入が、車の維持費を大きく上回る

通院などの場合

通院などの車は、次のすべてがそろうことが条件です。

  • 通院などのために、車を定期的に使うことが明らか
  • 送迎サービスや家族の送迎などが使えず、車で通院するほかない
  • 車の売れる値段が小さく、必要最小限の車である(排気量はおおむね2000cc以下)
  • 維持費(ガソリン代を除く)を、他からの援助や他の制度などで、確実にまかなえる見通しがある
  • 本人が運転する。または、専ら本人の通院などのために、生計が同じ人か常時介護する人が運転する

自分が条件に当たるかどうかは、福祉事務所に確かめます。

ローンで車を買うときの注意

生活保護費は、最低限度の生活のために使うお金です。車のローンを保護費で返す扱いを、直接決めた記述は、確かめられませんでした。

だから、ローンを組む前に、福祉事務所に先に相談します。買ってから伝えるのでは、遅くなります。

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相談先

相談先は、お住まいの地域の福祉事務所です。札幌市では、各区役所の保護課が窓口です。

車のことは、通勤や通院の事情・車の種類・維持費の払い方を、ケースワーカーにそのまま伝えます。

借金がある場合は、法テラスでも相談できます。借金の整理と車の関係は、次の記事にまとめています。

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よくある質問

申請に、必要な書類がそろっていないと、受け付けてもらえませんか?

必要な書類がそろっていなくても、申請はできます。まずは福祉事務所に相談します。

札幌市で申請すると、結果はいつまでに分かりますか?

申請した日から、原則として14日以内に、保護を受けられるかどうかが通知されます。

保有が認められた通勤用の車の維持費は、どう扱われますか?

ガソリン代・修理代・車検の費用・保険料・税金などは、仕事の収入から、必要最小限の額が必要経費として差し引かれます。任意保険は、対人・対物賠償の保険料だけが対象です。

担当のケースワーカーは、自宅に来ますか?

申請のあとに、担当のケースワーカーが自宅を訪ねて、これまでの生活や今の状況をうかがいます。

まとめ

  • 生活保護では、車は原則として手放す。売ればお金になる資産として扱われる
  • 通勤・通院・障害のある方の移動などでは、条件を満たすと、保有が認められる例がある。認めるかどうかは福祉事務所が決める
  • 車を買う前に、必ず福祉事務所に相談する。車のローンの扱いを直接決めた記述は、確かめられなかった

車のことで迷ったら、通勤や通院の事情をメモして、福祉事務所の担当者に先に伝えてみてください。

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