北海道への転勤が決まると、今の車をどうするかで迷います。運ぶにはどれくらいの費用と手間がかかるのか、今の車で北海道の冬を越せるのか。数年で戻るなら、持っていくのと手放すのとでどちらが得なのかも気になるところです。
この記事では、道外から北海道・札幌へ転勤する方に向けて、車を持っていくか手放すかの4つの決め手と、持っていく場合の住所の手続きを整理します。
持っていくか手放すかの決め手は4つ
結論から書きます。持っていくか手放すかは、次の4つを並べて比べると整理しやすくなります。
- 引っ越しの前後の車の状態…車検や大きな修理が重ならないか、支払いが残っているか
- 冬用装備の費用…今の車に合う冬用タイヤがあるか、一から揃えることになるか
- 運ぶ費用と手間…勤務先が費用を出してくれるか、自分で運転してフェリーで渡れるか
- 北海道にいる間に買い替え時期が来るか…数年で戻るなら、運ぶ費用と住所の手続きがもう一度かかる
どれか1つで決まるものではありません。4つの決め手ごとに、「持っていったほうがいい人」と「手放したほうがいい人」に分けました。当てはまるほうが多い側を目安にしてください。
| 決め手 | 持っていったほうがいい人 | 手放したほうがいい人 |
|---|---|---|
| 引っ越しの前後の車の状態 | 引っ越しの前後に車検や大きな修理がない。支払いが残っている(売るにはローンの精算や所有者の同意が要るため) | 引っ越しの前後に車検や大きな修理が重なる |
| 冬用装備の費用 | 今の車に合う冬用タイヤをすでに持っている、または用意する目処がある | 今の車には冬用タイヤも寒い地域向けの装備もなく、一から揃えることになる |
| 運ぶ費用と手間 | 勤務先が車を運ぶ費用を出してくれる。または、自分で運転してフェリーで渡れる | 運ぶ費用が自己負担で、業者に頼むしかない |
| 北海道にいる間に買い替え時期が来るか | 北海道にいる間は今の車で乗り切れる(車検や大きな修理、買い替えの時期が戻ったあとに来る) | 北海道にいる間に買い替えの時期が来る(どうせ買い替えるなら、北海道で冬に合う車を選べる) |

その前に、住む場所によっては車が要らない場合もあります。札幌の地下鉄の駅の近くに住み、職場も駅の近くにあるなら、車を持たずに暮らす選択肢も考えられます。
反対に、郊外に住む場合や、仕事で車を使う場合は、車があるほうが動きやすくなります。住む場所と通勤の手段が見えてから4つの決め手に進むと、迷いが減ります。
決め手1:引っ越しの前後の車の状態
持っていくか手放すかを考える前に、引っ越しの前後で車検や大きな修理が重ならないかを確かめます。重なると、その分の費用や手間が、引っ越しの支度と一緒にかかります。
見ておきたいのは次の3つです。
- 車検の残り…引っ越しの前後に車検が来ないか
- 修理の予定…引っ越しの前後に、タイヤなど交換が必要になる部品がないか
- 支払いの残り…車検証の所有者が販売店やローン会社になっていないか(残っていると、売るにはローンの精算や所有者の同意が要ります)
支払いが残っている車の進め方は、このあとの「持っていくと決めたら」の節でまとめています。
決め手2:冬用装備の費用
持っていく場合、まず要るのは冬用タイヤです。雪道や凍った道路を走るときに冬用タイヤなどの滑り止めを付けることは、北海道の規則(北海道道路交通法施行細則)で決められています。
決まっているのは、雪が積もったり凍ったりしている道を走るときの滑り止めです。何月から、という日付の決まりではありません。北海道で冬に車を使うなら、冬用タイヤを用意する前提で費用を見込んでおきます。
冬用タイヤの費用は、次の3つで変わります。
- タイヤの大きさ
- ホイールごと用意するか
- 新品か中古か
持っていく車のタイヤの大きさを確かめ、見積もりを取ってから比べるのが確実です。
見落としやすいのが、使わない季節のタイヤの置き場所です。集合住宅に住む場合は、置く場所があるか、預けるなら費用がかかるかも、あわせて見ておきます。
冬用タイヤのほかに、寒い地域に向けた装備もあります。たとえば、容量の大きいバッテリーや、雪用のワイパーです。なくても北海道の冬は越せますが、もっと備えておきたいなら、こうした装備を足す方法もあります。
北海道では、改造していない普通の車や軽自動車で冬を過ごしている人が多くいます。
車高を大きく下げた改造車でなければ、車高を理由に今の車を手放す必要はありません。冬用タイヤへ履き替える時期の目安は、札幌の雪の平年値とあわせて別の記事で整理しています。

決め手3:運ぶ費用と手間
本州と北海道の間を車で移るには、フェリーに車ごと乗るか、車を運ぶ業者に頼むことになります。費用は、どの運び方を選ぶかで変わります。

運び方は2通り
- 自分で運転する…フェリーに車ごと乗り、北海道の港からは自分で走る
- 業者に運んでもらう…車を預けて、自分は別の手段で移動し、北海道で受け取る
業者に頼む場合の料金は、走る距離や車の大きさで変わり、公式の定価がないため見積もりで確かめます。
自分で運転する場合にかかるのは、フェリーの運賃だけではありません。
- フェリーの運賃
- 港までの燃料代
- 高速道路の料金
移動の日数ぶん、引っ越しの予定も空けておく必要があります。
費用を左右する材料
- 距離と航路…どこから、どの港へ渡るか
- 車の大きさ…車の長さで運賃の区分が分かれていることがある
- 時期…同じ航路であっても、時期によって運賃が変わることがある
- 運び方…自分で運転するか、業者に頼むか
たとえば大洗港と苫小牧港を結ぶ航路(商船三井さんふらわあ・夕方便)では、車の長さが6m未満の乗用車(ミニバンもこの区分に入ります)の運賃は、通常期にあたる期間で片道38,500円です(運転者1名分の乗船料を含みます)。
運賃は時期によって5段階に分かれ、夏休みや年末年始などの繁忙期はこれより高くなります(2026年9月29日確認)。区分や金額は航路や事業者によって違うので、使う時期で見積もりを取って比べてください。
勤務先の転勤の決まりで、車を運ぶ費用が出るかどうかも確かめておきたいところです。出るかどうかで、持っていくときの負担が変わります。
着いてからの手間
運んだあとには、住所の手続きがあります。手続きの中身と進める順番は、このあとの「持っていくと決めたら」の節でまとめています。
決め手4:北海道にいる間に買い替え時期が来るか
転勤の期間だけでは、持っていくか手放すかは決まりません。効いてくるのは、その間に今の車の買い替え時期が来るかどうかです。数年で戻るなら、運ぶ費用と住所の手続きがもう一度かかります。
北海道にいる年数と、今の車があと何年乗れるかを並べて比べます。滞在中に買い替え時期が来るなら、北海道で冬に合う車を選ぶ機会になります。
戻る時期が決まっていないときは、年数では決められないので、今の車の状態や、次の車検・修理の時期から考えます。
手放して北海道で買う場合の進め方
手放す場合は、今の車を手放してから、北海道で次の車が手に入るまでの間をどう過ごすかを先に考えます。
今の車をいつ手放すかにも、考え方が2つあります。引っ越しの直前まで乗れば、今の車を長く使えます。反対に、早めに手放せば、北海道での車探しを先に進めやすくなります。
引っ越しの前に売れば、運ぶ費用も、着いてからの住所の手続きもかかりません。そのかわり、北海道で車が手に入るまでは車のない期間になります。その間の通勤や買い物の手段を決めておきます。
車のない期間を短くする方法の一つが、道外にいるうちに、札幌で乗る車の相談を始めておくことです。
北海道で買う場合は、冬用タイヤに加えて、冷却水(LLC)の濃度やリアデフォッガーなど、寒い地域に向けた装備も、はじめから条件に入れて選べます。
中古車に冬用タイヤが付いてくるかどうかは販売店によって扱いが違うので、見積もりの段階で確かめておきます。
住まい探しと並行して、駐車場も早めに決めておくと、車を選ぶときの条件整理がしやすくなります。
持っていくと決めたら:住所が変わったときの手続き
持っていくと決めたら、住所の手続きが要ります。普通車の窓口は運輸支局など(国の窓口)、軽自動車の窓口は軽自動車検査協会で、手続きの呼び方も違います。期限はどちらも、住所が変わった日から15日以内です(道路運送車両法)。
| 項目 | 普通車 | 軽自動車 |
|---|---|---|
| 手続き名 | 変更登録 | 記録事項の変更 |
| 窓口 | 運輸支局など | 軽自動車検査協会 |
| 期限 | 15日以内 | 15日以内 |
| 車庫の届出 | 先に車庫証明を取る | あとで届け出る |
ナンバープレートは、窓口が変わると普通車・軽自動車ともに新しいものに変わり、プレート代がかかります。普通車は、手続きのときに車を窓口へ持ち込みます。
必要な書類は、普通車は国土交通省の自動車登録ポータル、軽自動車は軽自動車検査協会、車庫の届出が必要な地域は北海道警察の案内で確かめられます。
車庫証明が必要な地域は、普通車は北海道内の市と町、軽自動車は札幌市など一部の市です。対象地域は、上の北海道警察の案内でご確認ください。
手続きを進める順番
車の手続きには、新しい住所の住民票が要ります。引っ越したら、まず市区町村の窓口に転入届を出します(転入した日から14日以内・住民基本台帳法)。そのあとの順番は、普通車と軽自動車で逆になります。
普通車の場合
- 転入届を出し、新しい住所の住民票を取る
- 新しい住所の警察署で、車庫証明(正式には「保管場所証明」)を取る
- 新しい住所を担当する運輸支局などで住所の手続きをし、ナンバープレートを付け替える
軽自動車の場合
- 転入届を出し、新しい住所の住民票を取る
- 新しい住所を担当する軽自動車検査協会の事務所で住所の手続きをする
- 届出が必要な市では、そのあと警察署へ保管場所を届け出る
手続きをしないままにした場合
住所の手続きをしないままにすると、道路運送車両法にもとづき、普通車は50万円以下、軽自動車は30万円以下の罰金に処されることがあります(第109条第二号・第110条第一号)。
そのほか、リコールの案内や税金のお知らせが、新しい住所に届かないといった困りごとも起こりえます。
支払いが残っている車の手続き
車検証の所有者が販売店やローン会社になっている車は、住所の手続きを自分だけでは進められないことがあります。たとえば軽自動車では、所有者の同意を得てから手続きをするよう案内されています。
普通車・軽自動車とも、引っ越しが決まった段階で所有者へ連絡し、進め方を確かめておくと、手続きを進めやすくなります。
北海道で車を買うことを選ぶ方へ
手放して北海道で買うと決めた場合も、車探しを引っ越しのあとまで待つ必要はありません。遠方からの相談や契約に対応している販売店もあり、道外にいるうちから話を進めておくことができます。
遠方から中古車を買うときの流れと、前もって確かめておきたい点は、別の記事で整理しています。


たとえば当店では、全国(沖縄を除く)からご相談をお受けしています。遠方の方とは、ご来店なしでご契約の手続きを進めることもあり、書類はレターパックなどでやり取りします。
よくある質問
北海道に転勤するとき、車は持っていくべきですか、手放すべきですか?
引っ越しの前後の車の状態、冬用装備の費用、運ぶ費用と手間、北海道にいる間に買い替え時期が来るか、の4つを並べて比べます。どれか1つで決まるものではないので、当てはまるほうが多い側を目安にします。
転勤で車を北海道に持っていくと、住所の手続きはいつまでに必要ですか?
住所が変わった日から15日以内です。普通車は運輸支局などで変更登録、軽自動車は軽自動車検査協会で記録事項の変更をします。手続きをしないままにすると、罰金に処されることがあります。
転勤の前に、北海道で乗る車の相談を始められますか?
始められます。遠方からの相談や契約に対応している販売店もあり、道外にいるうちから話を進めておくことができます。車のない期間を短くする方法の一つです。
北海道転勤の車の判断のまとめ
北海道への転勤で車を持っていくか手放すかは、次の4つで考えます。
- 引っ越しの前後の車の状態
- 冬用装備の費用
- 運ぶ費用と手間
- 北海道にいる間に買い替え時期が来るか
持っていくなら、冬用タイヤを用意し、住所が変わった日から15日以内に住所の手続きをします。窓口と車庫の届出の順番は、普通車と軽自動車で違います。手放して北海道で買うなら、冬に向けた装備を条件に入れて選べます。
北海道で車を買うことにした方は、ご相談ください。ご相談をいただいてから車を探すことも多いので、時期やご予算を、そのまま教えてください。
まずは現在の状況をご相談ください
契約できるか分からない段階からご相談いただけます。現在の収入や、希望する月々の支払額・車種をお聞かせいただければ、無理のない支払プランを一緒に検討します。他社でローンを利用できなかった方、過去の信用情報に不安がある方からのご相談にも対応しています。
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相談はまだ早い、という方へ。お店の日常や車の話を、InstagramとXでも発信しています。
※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものです。手続きに必要な書類や窓口は、状況や地域によって変わることがあります。手続きの前に、各窓口の案内で最新の内容を確かめてください。


